カクレクマノミ(ペルクラ)を飼育したらイソギンチャクにモフモフと共生している様子を再現したいところですよね。今日はクマノミ飼育における最大の関門、イソギンチャクの飼育について語ります。今回の記事は大いに(いつも以上に)私見が含まれています。そしてアクアリウム業界にとって少々耳の痛い内容も一部含まれています。イソギンチャク飼育を取り巻く真実をここにこっそり書いてしまいます。
カクレクマノミ(ペルクラ)とイソギンチャク
可愛いクマノミがモフモフ~とリラックスしている水槽はとても癒されます。クマノミとイソギンチャクの組み合わせでしか再現できない癒しの水槽を目指し多くのマリンアクアリストがイソギンチャク飼育に挑戦します。しかし、うまくイソギンチャクを飼育できずに諦めてしまうキーパーもよく見かけます。イソギンチャクの飼育セオリーについて理解しておきましょう!
イソギンチャクは飼育上のクセがある
イソギンチャクは魚とは全く違うクセがあり、飼育難易度が高いです。
じゃあ、良い環境を準備してイソギンを迎えればよいんだね!!ウチは水質も設備も、バッチリだから大丈夫!!
いや、違うんだ、イソギンチャクは魚とは全く異なるクセがあるんだ。そのクセをしっかり認識してイソギン飼育をはじめよう。
まずはクマノミとイソギンチャク FAQ
- Q「イソギンチャクがいなくてもクマノミは飼えますか?」
- A
答えはYES。イソギンチャクがいなくてもクマノミは問題なく飼育できます。わたしは15年ノーイソギンでカクレクマノミを飼育した経験があります。
- Q「クマノミはいないけれどイソギンチャクだけ飼えますか?」
- A
こちらもYES。イソギンチャクだけで問題なく飼育できます。イソギンだけ飼いたいというマニアックな人は多くはないとは思いますが・・・。
- Q「クマノミの産卵を狙っていますが、イソギンチャクは必要ですか?」
- A
答えはYES。クマノミは安全のためイソギンチャクの触手がぎりぎり届くかどうかの位置に産卵する本能を備えています。イソギンチャクがいないと産卵は望めません。
- Q「クマノミのペアを作りたいのですが、イソギンチャクは必要ですか?」
- A
答えはYES。イソギンチャクがいないとどんなにたくさんのクマノミを泳がせてもペアにはなりません。
- Q「どの種類のイソギンチャクにも入りますか?」
- A
答えはNO。クマノミの種類によって共生するイソギンチャクの種類は異なります。カクレクマノミやペルクラであれば、ベストはハタゴイソギンチャク。次点でセンジュイソギンチャクに入りやすいでしょう。
カクレクマノミ(ペルクラ)へのおすすめはハタゴイソギンチャク
ハタゴが、センジュか。どちらも良いのですが、わたしはハタゴを選びます。理由は「ハタゴの方が移動しにくい」この1点です。
ポンプ巻き込み事故に注意
サンゴとは異なり、イソギンチャクは自分で移動します。気まぐれです。どんなに環境を整えてたとしてもキーパーがとどまってほしいところにとどまってはくれないと考えた方が良いです。ほんとに原因不明、理由不明で移動したりします。イソギンの考えている事は全くもって不可解です。
ではなぜ、移動されると困るのか?最大の理由は水流ポンプの方へ移動して巻き込まれ事故が発生してしまう恐れがあるためです。インターネット上ではイソギンチャクが急に移動してポンプに巻き込まれて大惨事・・・という状況が多数報告されています。他にはオーバーフローパイプを詰まらせたり、やっかいな事故を起こす恐れがあるためできるだけ動かない性質のイソギンチャクが必要なのです。
イソギンチャクの中でもハタゴイソギンチャクは比較的移動しにくい種です。一方でセンジュイソギンチャクは移動しやすい種です。この1点でハタゴイソギンチャクをわたしは選びます。
最重要 イソギンチャクの買い方・選び方
「買い方・選び方」これが最も重要です。わたしが経験上感じた重要なファクターを下記に列挙します。
イソギンチャク 知識と選び方編のまとめ
今回はイソギンチャク&クマノミ飼育の基礎知識と、イソギンチャク購入時の心得を書きました。今のマリンアクアリウム業界では、採取方法と流通経路が原因でどのように飼育してもダメになるかわいそうなイソギンチャクで溢れています。特に海外産のイソギンチャクは劣悪な取り扱いをされてボロボロになって来日し、ショップでは死ぬ前にサッサと売りさばかれ、キーパーの水槽で亡くなる事も多いのです(すべてではありませんが)。本来は丈夫なイソギンチャクがダメージを受け、「イソギンチャクはデリケートで飼育が非常に難しい」という評価が払拭され、むやみにイソギンチャクの命が奪われる事が無くなることを願って書きました。
イソギンチャクの飼育方法2へ続きます。
次回はさらに濃厚な飼育論かも(❐_❐✧)・・・・・