【クマノミ(ペルクラクラウン)のブリード】エサの準備【ブラインシュリンプ】

ぺルクラクラウン

ワムシの次の餌=ブラインシュリンプ幼生

ワムシを食べてひと回り大きくなった稚魚たちは、孵化後6日目頃から孵化させたブラインシュリンプを食べる事ができるサイズに成長しています。5日目に翌日からブラインシュリンプ幼生を少量与えられるように準備をします。ブラインシュリンプ幼生は乾燥状態の耐久卵から孵化させるおなじみの餌ですね。ワムシと比べるとだいぶ気楽に取り扱うことができます。

ワムシより楽とは言ってもブラインシュリンプを毎日孵化させて、毎日栄養強化して、毎日与える必要があります。手間がかかる管理方法では1日は出来ても何日も長続きはしません。少ない手間暇で、継続できる管理方法が必要になります。ここではわたしのブラインシュリンプの管理法を紹介します。

ブラインシュリンプエッグはベトナム産を使う

ブラインシュリンプエッグには主に3つの産地があります。昔から最も多く流通しているものが米国ソルトレイク産。テトラなど大手メーカーのものもソルトレイク産です。

値段が高くなりますが、クマノミのブリードにおいてはベトナム産をおすすめします。ベトナム産は孵化したブラインシュリンプのサイズが小さめで早いうちからクマノミの稚魚が食べることができます。また、栄養面ではEPAを豊富に含有しています。

近年は中国産もあるようです。わたしは使用したことはありませんが、現在のところ積極的に選ぶ理由は見当たらないようです。

ブラインシュリンプエッグは下記に紹介する方法で使用すれば多量に必要にはならないので、値段の高いベトナム産を選んでもコスト的な負担はそう大きくないためベトナム産を使用しています。20gで数か月はもつでしょう。

孵化用水の作り方

ブラインシュリンプの孵化には塩水が必要です。一般的には食塩で良いとされていますがわたしは孵化後の栄養強化においても元気にシュリンプが生存する確率を上げるために人工海水で孵化用水を作っています。毎日孵化用水を作るには手間なのでわたしはだいたい3Lほどを一気に作り貯めます。少なくとも1か月は問題なく保存できています。

1リットルあたり20gの人工海水を測ります。3Lなら60グラムです。これを水に溶かしてペットボトルに分注すれば完成です。中和剤を含まない人工海水の場合は塩素中和をお忘れなく。

何かと”秤量”することの多いマリンアクアリウム、特にブリードでは電子天秤は1個は持っておきたいところです。0.1g単位で測れるものであれば安価なもので充分です

ペットボトルで保存OKでです!

皿式で孵化

ブラインエッグの説明書には、エアレーションして孵化するように書かれていますが、この通りにやっていたら塩代、エッグ代、時間手間暇が大きな負担になります。わたしが日々必要なブラインシュリンプの量は微量なのでいわゆる”皿式”で孵化させます。これで充分な量を毎日簡単に孵化できます。

まず、100円ショップなどで小型のタッパーを用意します。サイズもよりどりみどり、2~3個組などで売られているので好きなものを選びます。そこにプラスチックストローをカットしたものを横に橋渡しし、エッグを浮かべるエリアを分けます。

孵化用水を3cm前後の高さになるように注ぎ、片側にエッグを入れあとは孵化を待つだけです。エアレーションも不要です。孵化用水の高さを3cm程度に抑えることで水面からの酸素供給だけで孵化できるようになっています。この皿式はわたしが考えた方法ではなく先人の考案した方法です。はじめて知った時は目からうろこでした。

25℃~30℃位の場所に置けば24時間前後で孵化します。20℃位だと1日半くらいかかりますが孵化はします。20℃未満だと孵化率が悪くなるので水槽の上などできるだけ暖かい場所に置きましょう。

孵化したら丸い容器に採る

わかりにくいですが、孵化した様子です。下のちょっとオレンジがかった箇所にブラインシュリンプ幼生が集中しています。ブライン幼生は明るい場所へ集まる走光性があるのでライトで照らしてできるだけ一か所に集めます。

ブライン幼生を、殻が入らないようにピペットで丸い容器にとりわけます。取り分けたら、半日~1日ほどそのまま置いておきます。

栄養強化を行う

孵化後12時間~1日ほど経過したブライン幼生はヨークサックの栄養を使い切り、外部から栄養を摂取できるようになります。この「外部からの栄養」を入れる事を栄養強化といいます。

では、栄養強化に何を使うか?わたしは、ワムシ培養でも使用している「栄養強化済みの濃縮淡水クロレラ」をブライン幼生の容器に1滴程滴下しています。ワムシ培養でも紹介しましたが、クマノミ繁殖の権威、日海センターの濃縮淡水クロレラを流用しています。(ただし、同クロレラ自体は非常に安いのですがクール便の送料が結構かかるため下記の様な商品で代用できないか模索中です)

調べると、海産クロレラやナンノクロロシプスを培養したもので栄養強化する方法などもあるようですが、ワムシ、ブライン、に加えこれらも培養することはさすがにハードルが高いと言わざるを得ません。そして、栄養強化済みの「濃縮淡水クロレラ」での栄養強化で稚魚はバリバリに育っているため、ブライン幼生の栄養強化は「栄養強化済みの濃縮淡水クロレラ」で充分であるとの結論に至っています。他に粉末の栄養強化剤も試みたことがありますがうまく行きませんでした。

もしかしたら、ベトナムブラインを使用している効果も合わさっているかもしれませんね。濃縮淡水クロレラを滴下してさらに半日程度置けば、稚魚に与えることができます。

クロレラは1~2滴も入れれば十分なようです。

稚魚たちに与えよう

孵化後6日目頃になったら栄養満点のブラインシュリンプをブラインネットで漉しとって稚魚たちに与えましょう。この頃は、ブラインを食べられる子とまだワムシサイズしか食べられない子が混在しているのでワムシとブラインの両方を与えます。孵化後11~12日目頃には完全にブラインに移行して大丈夫です。

ブラインの色でお腹が赤くパンパンになった稚魚たち。狙いを定めてピッ!ピッ!と食べる稚魚たちはかわいいです。おいしいのかお腹がパンパンになるくらい食べてくれます。ここまでくれば一気に成長期に突入です。どんどん大きく、どんどん色鮮やかに育っていくでしょう。ワムシとブラインの管理ができるようになれば、稚魚たちのエサはばっちりです!!

ワムシとブラインシュリンプを維持管理できるようになったらブリードは成功間近です!!

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