【誰も教えてくれない】海水魚の白点病2~治療法、治療薬の選択(NG編)~【謎療法に騙されないで!!】

病気

前回は白点病の基礎知識編をお届けしました。今回はいよいよ治療について記述していきたいと思います。今回はNG編、相当攻めた記事になりますが、あくまでもわたしの私見という事で、必ずしもすべてが正しい事かは保証いたしかねます。皆さまの参考となれば幸いです。

白点病を確認したら

あ!白点だ!!と白点を確認したら、焦らずにどの程度の進行具合かを確認しましょう。もし、1個、2個程度の極めて初期の白点病であれば自然に治ることもあります。この場合は白点の他に異変がなければ自然治癒に期待して1~2日程度様子見をしてもよいでしょう。ただしくれぐれも観察を怠らず、白点が悪化していくようであれば様子見し過ぎずに治療に進みましょう。

本格的な治療は白点が5個以上もしくは複数匹に白点が確認されるようであれば行いましょう。改めて白点病のサイクル図を下記に掲載します。

遊泳している白点虫(セロント)を叩くことが治療の基本です。魚体に付いている白点はアタックできません。白点虫の基礎知識をまだ確認していない方はまずは下記でご確認ください。

では、早速治療方針を確認していきましょう。

よい白点病治療薬と よくない白点病治療薬

白点病の治療の大原則は「白点虫が死ぬが、魚は死なない濃度で薬浴する」ことです。

では、よい白点病治療薬とはどのような薬でしょうか。

白点虫が死ぬ濃度と魚が死ぬ濃度が大きく離れている薬であれば安全に治療できますね。

この薬はどうでしょう?非常に狭い濃度域で治療しなければならないのでキワドイ薬と言えますね。濃度が足りないと白点病はなおせず、だからと言って濃度を高くし過ぎると魚の命に危険が及びます。

オキシドール系

わたしは・・・ですがオキシドール系の薬品は海水魚の白点病に「効果は薄い」と認識しています(私見です!私見です!)。わたしの環境下ではオキシドール系で白点病が治った試しがありませんでした。もしかしたらある程度の濃度以上であれば白点虫に有効なのかもしれませんが、その有効濃度が定かではありません。信頼できる有効濃度に関する知見が無いもしくは公開されていない事が最大の欠点です。

オキシドールは白点中が死ぬ濃度、魚が死なない濃度に関する知見が限られているのです。知見が限られているという事は非常に恐ろしい事で、どのような影響が出るかが分からない・どんな副作用が生じるかもわからないという事です。したがって、悪い影響も含めてどんな作用をするかわかっている治療法を選択した方が良いと考えています。

インターネット上にはオキシドールで治療が成功したとの報告が複数あるため、どこかしらの濃度において、白点虫の致死濃度があり、おそらくその白点虫の致死濃度は魚の致死濃度よりは低濃度であろうかと思われます。インターネットで公開されているオキシドールでの白点治療濃度はそのキーパーの水槽の環境で確立されたものであり他の水槽で同じ効果が得られるのかは不明です。これから海水魚飼育を始める方や、初めて白点病にぶつかったキーパーが自分の水槽に合ったオキシドール濃度を確立するのは長く厳しい道のりと言えるでしょう。仮に確立したとしてもその時のその水槽にしか適用できないものとなるでしょう。そして、オキシドールが水槽内でどのような挙動を示すかわかりません。おそらく水中で分解されていくと思いますが、その速度は水槽の環境によって異なるはずです。海水中のオキシドール濃度を測定するすべがないのでオキシドールがどのくらい分解され、どのくらい追加すべきなのかもわかりません。幸いな事としてはオキシドールは比較的生体に安全な成分であることです。オキシドールが直接の原因で生体が死んだ、というような報告はほとんど見受けられませんでした。

信頼できる知見とオキシドールの簡易な測定方法が出てきたら非常に良い治療薬になり得るかもしれませんが、現状では白点病治療の選択肢としてはわたしの中では「無し」の判定となっています。

厳しい言い方をすると、効果があるか定かではないオキシドールでもたもた治療をしている間に白点病は進行して魚の命を脅かすことになるでしょう。

オキシドール系の薬で治療をするのであれば、添加量の指示がある観賞魚用のAQUAGEEKのICHを使用しましょう。サンゴやエビなどにも無害であることが最大のメリットです。サンゴ水槽で白点病が出て、どうしても本水槽で治療をするしかない場合ならば、わたしは本品を選択するでしょう。

グリーンFゴールド顆粒

淡水魚の細菌性感染症の治療薬です。入手性が非常に良いことが特徴のひとつです。メーカーは「海水魚に使用しない事」と明記しているのですが、広く海水魚に流用され、ショップでも本品を溶かした黄色い海水で薬浴されている様子が頻繁に見受けられます。海水魚では規定量の半量で使用されています。

本品はサンゴやエビなどの無脊椎動物に有害です。結局無脊椎動物に有害なら海水魚専用のもっと効果の高い薬=「銅」系の薬を使用した方が確実でしょう。

グリーンFゴールド顆粒は白点病以外の細菌感染の時のために、わたしも所持していますが、白点病の治療に積極的に使おうとは今のところ思っていません。

淡水浴

白点病の治療方法としての淡水浴は無意味です。淡水浴によって偶然体表に付いていた寄生虫が取り除かれ、体調が上向きになる可能性はありますが、白点病治療の効果はありません。体表の白点は魚の内部に入り込んでおり、淡水はもちろん薬さえも届きません。白点病の治療に淡水浴を行うと、淡水浴のダメージで魚が弱り、水中を漂う白点にガンガン寄生されてしてしまうでしょう。

なお、淡水浴は寄生虫やトリコディナ病には非常に有効な治療法ですので全ての淡水浴を否定しているものではありません。あくまでも白点病に対しては無意味という事です。

また、比重を薄くすると白点病が治る、白点病にならなくなるという報告も見受けられますが、わたしは効果は無いと認識しています。仮に海水の比重を薄くして白点虫の活動が低下したとしても、もれなく魚の元気も低下し結局は病気になるか別の理由でダメージを負う可能性があります。比重を上下して白点病治療を行う事はおすすめしません。

白点を物理的に除去

まさかとは思いますが、魚体に目に見える白点を指などでこすって物理的に除去する治療を行う人はいませんよね?もはや治療とも呼べませんが、全く効果がなく完全に逆効果です。繰り返しになりますが、目に見えている白点は魚体の内部に入り込んでいるため外部からのアプローチはできません。

重度白点病で藁にもすがる思いでこのような治療に走らないように・・・と念のため書きました。

マラカイトグリーン系の薬

海水魚の白点病に効果はありませんでした。他、メチレンブルーやグリーンFリキッド、アグテンなどの淡水魚用の薬も海水魚の白点病では使用されません。

他、エビデンスのない独自薬

巷には様々治療用品が出回っていますが、作用機序に納得できるものや、充分な治療効果があると感じたものは今までに出会っていません。

これらの薬(治療法)に共通する事は・・・

これらの薬(治療法)に共通する事は文頭に書いた、白点虫が死んで、魚は死なない濃度が定かではない事です。効くかもしれないが、効かないかもしれない、やってみなければ効果が分からない面が大きいのです。治ることもあれば、治らない事もある、治った理由はたまたま、治らなかった理由は不明。これでは白点病が発生する度に大ピンチ到来となります。

そうして白点病で嫌になって海水魚飼育を辞める・・・というキーパーがこれまで何人いたことでしょうか。残念な事です。

治療に関する知見が不確実な治療法ではなく、実績のある確実な治療方法を修得しておくことが大切です。次回はわたしが採っている確実な治療法をお届けしますが、ある程度経験があるキーパーはもう察しがついている事かと思います。はい、そうです、皆さんの苦手な、皆さんが嫌いな「銅」で治療をするのです。

次回も濃厚な私見満載となりそうです。

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