【クマノミ(ペルクラクラウン)のブリード】親魚の飼い方・育て方【質の良い卵を産むための水質編2】

ぺルクラクラウン

質の良い卵を産むための水質編2

今回は後半青字の水質について記載していきます。

水量:約30L~
水温:28℃
比重:1.023
アンモニア:検出しないこと
亜硝酸:0.05ppm未満
硝酸塩:20ppm未満
リン酸塩:1ppm未満
pH:通常測定不要
KH:通常測定不要
Ca:400~480ppm
照明:浅場向けの照明

リン酸塩

リン酸塩は通常はクマノミに対して直接的に生死に関わる程の影響は比較的軽微とされています。ただし、長期的な健康維持と産卵の観点からは高濃度のリン酸塩環境下での飼育は望ましくありません。イソギンチャクの不調の原因にもなるため、1ppm未満に抑えましょう。(注:ハードコーラル飼育時はさらに低濃度にする必要があります。)

また、リン酸塩はコケの栄養となり、コケの成長を促進します。たかがコケ、されどコケ、美観を損ねるコケはマリンアクアリウムの大敵です。コケ蔓延は水槽崩壊の第一歩。コケの発生を抑制しましょう。

リン酸塩はどこから来るのか?その多くは日々与えているエサです。では日々与えたエサのリン酸はどこへ行くのか???何もしないとどこへも行きません・・・・つまり、蓄積する一方なのです。時々リン酸塩の濃度を計り、1ppm以上となっている場合は処置を施す必要があります。

わたしはリン酸塩濃度の測定にはレッドシーのテストキットを使用しています。

飼育水に試薬Aを滴下し、混合後、試薬Bを滴下して比色です。

0.1ppm前後であれば良好です。しかし、魚がたくさんいて、エサをたくさん与えていると・・・

あっさりと1ppmを超えてしまします。これは1ppmを超え、数ppmを示しています。

リン酸塩を下げる方法1:水替え

まずは水替えが挙げられます。理論上、1/3の飼育水の水替えを行えばリン酸塩は薄まり、2/3になります。ですが、高濃度のリン酸塩が検出されている場合、意外と理論通りに下がらないことも多くあります。

リン酸塩が1ppmだったから飼育水の50%の水替えをしたのに翌日のリン酸塩濃度はほぼ変わらず1ppmだった!なんで~?

ライブロックや蓄積したデトリタス(底砂やフィルターに溜まった汚れ)から順次リン酸塩が溶出しているかもしれないね。

そのような時は、底砂やフィルターの汚れを清掃すると効果が出る可能性があります。また、ライブロックが痛んでリン酸塩を放出していないか確認してください。

リン酸塩を下げる方法2:炭素源の滴下

硝酸塩の還元でも出てきた炭素源はリン酸塩も併せて低減することができます。

液体炭素源はレッドシーのNO3:PO4Xがよく用いられています。使用にはプロテインスキマーで充分な酸素供給がなされていないと危険も伴いますので正しく使用する必要があります。コスト面では有利ですが、やや上級者向けの方法です。

リン酸塩を下げる方法3:吸着材

吸着剤は安全にリン酸濃度を下げることができます。

カミハタの上記商品はリン酸塩と、同じくコケの原因であるケイ酸塩を両方吸着することが可能な便利な吸着剤です。安全に使用できるためおすすめです。

pH、KH

pHは通常の水槽管理ができていれは測定不要です。pHとKHは深く理解しようとするとわりと難しいのですが、pHは海水がどのくらいアルカリ性か、もしくは酸性かを示します。KHはpHの急変動を抑制する働きがあり、サンゴの成長に欠かせないものです。KHは魚やイソギンチャク飼育においてはあまり意識することはありませんが、ハードコーラルがいる場合はその成長に伴って消費されるので補給が必要になります。

ここではクマノミ飼育をメインとして記述していますので詳細は割愛しますが、KHを高めるための添加剤としては総合添加剤であるリーフファンデーションABC+や、同Bがよく用いられます。

粉末のリーフファンデーションはどっさり入っており、便利なため私も愛用しています。

カルシウム

適正値は400ppm~480ppm程度です。カルシウムといえばハードコーラルというイメージですが、石灰藻もカルシウムを消費する事をお忘れなく。ライブロックが入っている場合は石灰藻がたくさん生えてほしいですよね。カルシウム値は意識しておきましょう。

テスターはセラかレッドシーのカルシウムテスターが使いやすいでしょう。カルシウムテストはちょっと測定方法が面白いです。液体試薬Aを滴下した後に、粉末試薬Bを加え混合します。そして液体試薬Cを滴下するのですが、紫色だった検体が青色に変色するまでに要した試薬Cの滴数からカルシウム濃度を計算します。

カルシウムの補給には添加剤やカルシウムリアクターの設置が挙げられます。リアクターは大掛かりなため、クマノミとイソギンチャクの飼育ならば添加剤の方が導入しやすいでしょう。カルシウム添加剤もリーフファンデーションを推しておきます。

照明

青すぎない浅場向けの照明を付けます。クマノミの色がきれいに見えて、イソギンチャクが光合成を出来る光であればOKです。

昔はヤフオクで有名なLEDを使っていましたが、今はスポットLEDを使用しています。

主にボルクスジャパンのグラッシーレディオシリーズを使用中です。別売りのBluetoothユニットを挿すことでスマホでタイマー設定や調光ができるので便利です。安いLEDではありませんが、球切れも起こしにくく長寿命に感じます。わたしはreefを使用しています。deepは単体使用ではクマノミ飼育には青すぎるように思いました。

質の良い卵を産むための水質編2まとめ

質の良い卵を産むための水質編2として、水質編1よりもちょっと意識されていない項目について解説しました。今日の水質目標をまとめると・・・
リン酸塩:1ppm未満
pH:通常測定不要
KH:通常測定不要
Ca:400~480ppm
照明:浅場向けの照明

リン酸塩とカルシウムは意識してコントロールしておきたいところです。親魚を良い環境で育成して良質の卵を産むことが、ブリード成功への近道です。

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