【クマノミ(ペルクラクラウン)のブリード】孵化翌日Day1【一番の正念場】

ぺルクラクラウン

孵化した稚魚を掬ってから一晩が経ちました。今日は最も変化の多い一日です。慣れてくると、この日の稚魚の様子でどのくらい育つかが大体の予測が付きます。ミスなく確実に育成作業を行いましょう。わたしの孵化後1日目の様子を紹介します。

メイン照明の点灯前(朝一)

キーパーが起床したらまずは生存確認です。正確には”どれだけ生き残っているか”の確認です。多くの場合、ここでかなりの数が落ちていると思いますが気を落とす必要はありません。朝一で相当数が落ちることは普通の事です。どれだけ生きているかに目を向けましょう。落ちてしまった子は随時吸い出しましょう。

落ちている子は、プラケースの下に沈んでいるのでピペットで吸い出します。この際に、単にプラケースの下に居る子と落ちた子をしっかり区別して落ちた子だけを吸い出すようにします。落ちた子は体が白っぽくなっているので落ち着いて見れば区別がつきます。

使用するピペットは割れないプラスチック製がおすすめです。

メイン水槽の点灯直後

水槽のメイン照明が点灯した頃にできれば稚魚ケースの水替えを行います。このタイミングでの水替えの目的は水の汚れを排出する事ではなく、昨夜投入したワムシを入れ替えることです。ワムシは培養槽内ではクロレラを摂取して栄養豊富ですが時間の経過とともに栄養価が落ちでいきます。そのためこのタイミングで水替えを行い所です。ただし、現実的には仕事など点灯時刻には自宅を不在にしている事も多いと思います。その際は帰宅後でも大丈夫です。

水替えは、強い水流を起こさないように慎重に行います。まずはピペットで底に溜まった汚れや落ちた子を吸い出します。これらを吸い出すことができたら、小さな容器(わたしはプラスチック製使い捨てのコップ)などで丁寧に海水を排出します。概ね70%程度の海水を排出したら、新しい飼育水を優しく注ぎ入れます。ここでいう「新しい飼育水」とは、水槽の(親魚の)飼育水の事です。溶かしたての新鮮な人工海水を注いではいけません。水質変化で稚魚が落ちてしまします。

水替えが完了したら新しいワムシをケースに投入し、完了です。

夕方頃

再度生存確認および、水替えをしていない場合は水替えとワムシ投与を行います。このタイミングでもかなりの数が落ちている事が多いと思います。正念場です。気を落とさず丁寧に作業をしましょう。

キーパー就寝前

生存確認及および水替えとワムシ投与を行い、明日も元気に成長する事を願いキーパーは就寝です。水槽の照明は消灯しますが、稚魚用の常夜灯は常時点灯します。

孵化24時間後の様子

24時間後の様子で大体どのくらい育つか推測できます。

稚魚の状態が良いと、孵化24時間後にはケースの壁面を向いて泳いでいます。写真の様な泳ぎ方の場合はこの先の成長に期待できます。反対にうまく育たない時は24時間後には多くの稚魚が底に沈んでいます。ただし、少数でも元気に生きていれば御の字です。親魚の状態がよければ産卵は続くので、少数でも育てばすぐにたくさんのクマノミファミリーになります。焦らず急がず、丁寧に育成しましょう。

孵化後1日目は一番大事な日

いかがでしたか?孵化後1日目は激動の1日です。最初のうちは1日目に全滅することが少なくありません。全滅しても、親を丁寧に飼育していればまた産卵します。2回目、3回目とキーパーは経験を積み、親魚は質の良い卵を産めるようになり、ある時、稚魚の底力がグッと上がって1日目に落ちる数が激減する時が来ます。キーパー、親、稚魚、3者ともに成長し稚魚が育つようになります。

一番大切な事は、うまく育たなくてもあきらめない事、焦らない事、です。わたしは初めて稚魚が大きく育ったのは確か産卵6回目だったかと記憶しています。5回目までは数日以内に全滅していましたが、6回目から急に稚魚の様相が変わり、あふれんばかりにクマノミが育つようになりました!自分の飼育技術、親、卵と稚魚を信じましょう!!!

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