中古アクア機材は買い?実際に買って分かった「中古で買っていい物・ダメな物」【中古機材の取り入れテクニック】

飼育機材

近年、アクアリウム用品の価格は全体的に上昇しています。限られた予算の中で海水魚飼育を続けるには、機材選びの工夫が欠かせません。水槽、ろ過、照明、クーラー、ヒーター……全部を新品で揃えようとすると、あっという間に予算オーバー。

だからこそ現実的なのが、「中古で抑えるところ」と「新品でしっかり投資するところ」を分けること。いわゆる、機材選びの“メリハリ”です。

ただし問題はここから。中古アクア機材は安い反面、買っていい物と、絶対に手を出してはいけない物がはっきり分かれるということ。この記事では、実際にショップで中古機材を購入・使用してきた経験をもとに、「中古で買って良かった物」「正直おすすめしない物」を、忖度なしでコメントしていきます。

評価基準
★1=中古は絶対に避けたい
★2=基本的には中古は避けたい
★3=条件が合えば中古で取り入れもあり
★4=中古でOKな場合が多い
★5=積極的に中古品の取入れを検討する

<注意事項>
中古品は、同じ製品でも個体ごとに状態が大きく異なります。前オーナーの使用環境・使用期間・メンテナンス状況によって、劣化の程度には差があります。そのため、中古機材を導入する際は使われ方とリスクを理解した上で選ぶことが重要です。

本記事での評価は、あくまで「中古という選択肢が成立するかどうか」の目安であり、すべての中古品が安全・保証されるものではありません。導入後のトラブルを防ぐためにも、必ず動作確認・清掃・必要に応じた消耗部品の交換を行い、使用は自己責任のもとで判断してください。

特に、命や水槽全体に直結する機材については、中古を避ける、または予備を用意するなどの対策が必要です。

水槽=★1(5点満点中)

水槽は★1=中古は避けましょう。最大の理由は第一に水漏れリスクが新品よりも高い事です。また、新品の綺麗な水槽はモチベーションに繋がります。アクアリウムの要である水槽は通常は新品を選びます。

小型ガラス水槽(〜60cm)については★1.2とします。理由としてはガラス自体は劣化しにくいことと、小型であれば水圧リスクが低いことです。ただし、小型ガラス水槽はもともと安いので少額の差で新品が買えるならば新品を選びましょう。トリートメントタンクなどの用途であれば中古もありかもしれませんね。

中古ガラス水槽チェックポイント
・シリコンの黄ばみ・硬化・剥がれ

水槽は「壊れたら生体が死ぬ」だけでなく、家と信用まで壊しかねない機材。中古で攻めるなら、最小サイズ・最小リスクに留めるべきです。

照明=★4

中古照明は理解して選べば、コスパよく水槽の格を上げられる機材と考えます。

  • 新品価格が高額で、中古の価格差が非常に大きい
  • 新品では手が届かないワンランク上のモデルを導入できる
  • 壊れても「買い替え前提」で割り切れる価格帯になりやすい

中古で狙うメリット

  • 上位機種の光質・配光を体験できる
  • 水槽全体の見栄えが一気に良くなる
  • 照明は他機材(水槽やポンプ)と比べ、壊れても即致命傷になりにくい

■ 中古で選ぶ際のチェックポイント

  • 使用年数(1〜2年以内が理想だが不明な場合が多い)
  • ファンの音・異音
  • 点灯ムラ、チラつきがないか
  • 塩害・サビの有無
信頼できるLED照明「グラッシー・レディオ」シリーズ

中古照明はブランド品、高級品をできるだけコストを抑えて調達する際にチョイスすべきです。ノーブランドの安価なものを中古で入手しても低減したコスト以上にリスクが高まります。

もともと安価な機材は中古品の旨味が少ない

上部フィルター=★4

水槽の上に置く上部フィルターは適正サイズのフィルターであれば★4です。なお、淡水魚用の一般的な上部フィルターは海水魚には能力不足です。海水魚用を選んでください。

ちなみに上部フィルター向けのポンプとしてはレイシーの縦型 Pシリーズという超ロングセラーポンプがありますが、このポンプは頑丈。このP型ポンプについては中古の選択肢=★5です。

外掛けフィルター=★2

外掛けフィルターは小型のものが多く、もともと低価格です。あえて中古品を選ぶメリットは薄いと考えます。

外部フィルター=★3

エーハイムなどに代表される外部フィルターは長持ちする製品が多く、中古品を検討する余地があります。

  • 構造がシンプルで耐久性が高い
  • 消耗品(Oリング・インペラ)は交換可能
  • 新品価格が高く、中古のコスパが良い

オーバーフロー式下置きろ過槽=★2

水量が多い水槽での使用となるため、水槽と同じ理由で中古品はおすすめしません。加え、塩ビやアクリル素材で作成されているため前ユーザーの使用条件(屋外で使っていた等)によってはダメージが大きい事もあります。余程状態がよい物でない限り避けましょう。

サンプ=★3

構造がシンプルで、マリンアクアリウムかつ屋内にて使用されていた事がわかっている場合は★3です。素性がわからない場合は水槽と同じ理由でおすすめしません。

ヒーター=★1

ヒーターは消耗品です。新品一択です。ヒーターには寿命があり、故障=水槽崩壊一直線となります。新品を使用し、故障する前に定期的に買い替えましょう。新品との差額は数百〜数千円程度。その代償として背負うリスクが大きすぎます。

ヒーターは新品でも“上等品”を選ぶ価値があります。

  • 温度精度が高い
  • 空焚き防止
  • カバー付きで事故防止

ヒーターは信頼できるものを選びましょう。

サーモスタット=★3

ヒーターをコントロールするサーモスタット(ヒーターと分離されたもの)単体は長持ちする印象があります。サーモスタットは中古品を取り入れる余地があります。逆サーモ(ファンサーモ)も同様です。

クーラー=★3

本来は新品を選びたいところ。ただ、クーラーは高額機材となります。クーラーが買えなくて生体が不調になるor飼育を諦めてしまう、のであれば中古クーラーを視野に入れることは悪くはないと考えます。

中古で選ぶならこのタイプ
・メーカーはゼンスイ
・使用年数・オーバーホール履歴が把握できるもの
・マリンアクアリウムで使用されていたもの(活魚での使用=高負荷・NG)

クーラー中古運用のポイント
・冷却ファン、エアコンなどの代替手段を用意
・真夏前に必ず試運転
・余裕を持った冷却能力を選ぶ

比重計=★1

最も普及していると思われるフロート式の比重計は中古はNGです。フロート式の比重計は経年で狂いやすいためです。精度が高く狂いが少ない(較正できる)屈折式の正確な比重計を新品で1本買っておきましょう。

添加剤・水質調整剤全般=★1

経年により変質の可能性があります。変質したことで不調をきたすことより、何らかの理由で不調をきたした時に何が理由か原因を特定しにくくしてしまうので添加剤は新品を選びましょう。

人工海水の素=★1

オークションなどを見ていると時々「飼育辞めたので塩を売ります」と人工海水の出品を見かけます。人工海水は鮮度が命。どのように取り扱われたか定かではない使用途中の塩を入手するのは止めておきましょう。古い高級塩よりも、新しい安価塩の方が無難です。

安いけど信頼できる人工海水 マリンソルト

クラウンファクトリーでは、イソギンチャクの居る水槽を含めてマリンソルトを使用しています。安いですが問題なく飼育しています。

試薬=★3

亜硝酸試薬、硝酸塩試薬などは経年劣化が少なく、中古品でも差し支えはないように思えます。ただし、元値が安いのであえて中古品を選ぶ機会は少ないようにも思います。たまたまショップで300円だった!などに出くわした際にはアリだと思います。

UV殺菌灯=★4

殺菌灯の球は新品に交換する前提で、殺菌灯本体は中古を活用する余地はあります。比較的高額機材のためコスト抑制につながりやすいです。

オゾナイザー=★5

アクアリウム用のオゾナイザーは現在、私の知る限り新品ではほぼ入手できません。状態の良いデッドストックを見かけたら購入したいところです。

メインポンプ=★1

水中ポンプ、マグネットポンプは故障することが少ない機材ではありますが、故障停止=水槽崩壊となるため、信頼できるメーカーの新品を使用しましょう。エーハイムの水中ポンプは3年保証が付いているので、保証が切れる頃に新品に交換します。

50hz、60hzを選び間違えないように注意しましょう。

水流ポンプ(ウェーブポンプ)=★3

メインポンプと比べると故障=即時崩壊には直結しにくいウェーブポンプですが、近年流通している高機能品は故障が多い印象です。中古品であたりを引くこともあると思いますが、悩んだら新品を選んでおく方が無難と考えます。

ろ材、砂=★1

どのように使われてきたか不明なろ材や砂は使用しない方が良いです。過去に硫酸銅などの薬品を投入したことがある水槽であった場合、無脊椎動物がうまく飼育できないなどの原因になることがあります。

ろ材、砂は新品を

60cmまでの水槽で一押しの砂はシンセーのコーラルサンド5番。汚れ、白濁が驚くほど少なく、安いのに超超超上質。

乾燥飼料(エサ)=★2(未開封に限る)

中古用品を扱っているショップで未開封の乾燥エサが激安で売られている事があります。同じエサがたくさん出されていれば当たりの可能性あり!どこかで在庫が余ったなどの何らかの理由で流れてきたものの可能性が大です。

未開封で同一品が複数陳列されていれる場合、それはお買い得品の可能性があります。

水温計=★2

ちゃんとしたものを選べば故障や不具合が少ない機材ではありますが、高額なものでもありません。中古を選ぶメリットはあまりなく、新品を買う方がよいでしょう。

照明スタンド・吊り下げアーム=★5

新品で買うと意外に高価。消耗品ではないため、水槽にマッチしたものが中古で見つかれば買いです。

水槽台・キャビネット=★5

新品で買うと高価。消耗品ではないため、水槽にマッチして、しっかりしたものが中古で見つかれば買いです。

電源関係(タップ)=★1

テーブルタップなどの電源関係は新品を揃えましょう。マリンアクアリウムは海水を取り扱うので、水滴が付着した履歴があったりすると怖いです。電源関係は必ず新品です。

おすすめの電源タップ。

意外と軽視されがちですが、電源タップは非常に重要です。上記のパナソニックのタップは、水はほこりの侵入を防止し、トラッキングを防ぎます。また、個別スイッチがなく、誤操作による予期せぬ電源オフを防ぐことが出来ます。タップは大切です。盲点になっている事が本当に多いのでぜひぜひ下記の記事もご覧ください。

番外編)生体=★5

生体は”中古”という概念とは異なりますが、「飼い込み個体」と呼ばれ、ある程度の期間水槽で飼育された生体は、状態が安定しています。おすすめできる場合が多いです。特にイソギンチャクの様な入荷初期がデリケートな生体の飼い込み個体はローリスクなので見つけたらチャンスです。

中古機材は適材適所

中古アクア機材はも選び方さえ間違えなければ、予算を抑えつつワンランク上の環境を作れる、非常に心強い選択肢です。一方で、ヒーターや水槽、比重計rのように中古に向かない機材も確実に存在します。すべてを中古で揃えようとすると、結果的にトラブルや買い直しで遠回りになることも少なくありません。

大切なのは、「中古でいいもの」「新品で買うべきもの」をきちんと分けること。

クラウンファクトリーでは、安全性や精度に直結する消耗品は迷わず新品をおすすめしています。中古機材は、知識が増えるほど“武器”になります。これからショップ巡りをする方、これから海水魚を始める方の参考になれば嬉しいです。

無理なく、賢く、長く楽しめるアクアリウムを一緒に作っていきましょう。

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