夏。水温上昇の季節。海水魚にとって、キーパーにとって頭の痛い季節でもあります。今年は6月中旬時点で例年よりかなり涼しいですが、もうじき猛暑がやってくる事は間違いありません。皆さん、夏の水温管理は万全ですか?特に30℃を超えると白点病や酸欠リスクが急増。昨年も「慌ててクーラーを探したけど在庫切れだった」とか「品切れ続出で高いクーラーを買わざるを得なかった」という声を多く聞きました。そうならないように早めの準備を強くおすすめします!!!!
昨年わたしが書いたクーラーの記事には基礎知識を書いてありますのでこちらも是非併せて見ておいてください。
それでは、2025年版おすすめクーラーを紹介します。
~30L位までの小型水槽におすすめのクーラー
30L位までの小型水槽には本体サイズが小さいペルチェ式のクーラーが第一の候補になります。ゼンスイのTEGARU2(テガル2)は本体サイズが小さく、3万円を切る価格も手が届きやすくて人気があります。
同じくゼンスイのKAKERU(カケル)は名前の通り水槽に掛けて使う言わば外掛け式クーラーです。テガルとの使用上の最大の差は循環ポンプが必要ない(フィルターなどの水槽内の水流は必要)事です。熱源となるポンプがひとつ減ることは水温にも有利ですね。
次いで、テトラ社のクールタワーを挙げます。CR-1は水量15L、CR-2は30L、CR-3は45Lまでを目安に選びましょう。クールタワーの良さはコスパに優れいている所です。ゼンスイの2つと比べ、水温調整のしやすさなどは劣りますが、価格が非常に安いことが魅力です。
ペルチェ式といえど、そこそこの稼働音がします。結構排熱が大きい事にも注意しましょう。排気口を塞がないように設置しましょう。
~60Lくらいまでの水槽におすすめのクーラー
このクラスからはチラー式となります。60L位までであればゼンスイのZC-100αが独走しています。現在わたしもノートラブルで7年使用中で、価格、性能、信頼性ともにこのクラスの決定版です。ZCシリーズは静音性にも優れています。
~120Lくらいまでの水槽におすすめのクーラー
この水量になると、1つ上のZC-200αがおすすめです。100αと同じ筐体(サイズ)で中身がパワーアップしています。
コスパ重視なら同じくゼンスイのZR-miniがよいでしょう。
~250Lくらいまでの水槽におすすめのクーラー
やはりゼンスイ。ZC-500αがおすすめです。
コスパ重視ならZR-130Eを。
大型水槽向けのクーラー
大型水槽向けのクーラーとなると、価格もなかなかなものとなります。モノとしては静音性に優れたZCシリーズが引き続きおすすめですが、ZR-180はコスパの高さが際立ちます。
大型クーラーではゼンスイの他レイシーも信頼できます。
ちなみに海遊館で、サンゴ水槽の機材紹介コーナーに置いてあったクーラーがLX-300ESB1でした。いつかはこんなBIGなクーラーが必要になる水槽を持ちたいものです。
設置のコツ
□通気の良い場所に置く

美観や静粛性を考慮するとキャビネットに収めたくなりますが、クーラーの排熱がこもりやすく、冷却効率が大きく低下します。オープンスペースに設置することがベストです。
□一部のクーラーにはヒーターをコントロールできる機能(サーモスタット)が付いています。この機能は時々トラブルの原因になるため使用しないことをおすすめします。ヒーターはヒーター用のサーモスタットで使用しましょう。
□クーラの大きさを選定する際は、「水量(L)+水槽で使用するすべての電気機器のワット数」を足し合わせたリットル数を目安に機種を選定しましょう。ろ過槽の水量の合算も忘れずに。
□水槽の背面や側面に断熱材を設置すると、クーラーが下げた水温が上昇する速度を遅らせることができ、クーラーの負荷低減が期待できます。
クーラーは早めの手配がおすすめな理由
1:夏本番には品薄や在庫切れの恐れ→人気機種は価格が安いショップから在庫薄になっていく傾向があります。高いクーラー、できるだけお得に買いたいものです。クーラーは買うと決めたら早めに手に入れてしまいましょう。また、ご存じの通り昨今あらゆるものの価格が高騰しています。クーラーも時間が経てば経つほど値上げされる恐れもあります。
2:水槽用クーラーはあまり進化しない、モデルチェンジも少ない→スマホやパソコンの様に頻繁に新機種が出たり新機能が搭載されるものではありませんので、必要になった時が買い時です。
3:急な水温上昇で生体にダメージ→初夏~夏季はいきなり暑くなったり急に涼しくなったり気温の上下が激しいため、事前に備えておかないと(水温が上がる季節に入る前にセットしておかないと)、生体に影響が出てしまいます。
水槽用クーラーは安い機材ではありませんが、生体の健康維持を考えると、クーラーを導入した方が総合的に経済的な結果をもたらす可能性が高い機材です。わたしも初めて導入する時は結構悩んだ事を記憶しています。導入してしまえば高水温の心配から解放され、不安要素がひとつ消えました。
早めに準備をしておくことをおすすめします。