【クマノミ(ペルクラクラウン)のブリード】孵化当日【やさしい稚魚の捕獲法】

ぺルクラクラウン

メスのクマノミが栄養を蓄えて活きのいい卵を産み、オスが不眠不休(多分)で世話をして孵化まで育てた稚魚、ここから先はキーパーにバトンタッチ!!わたしたちの腕の見せ所です。ここでは孵化当日の作業と孵化した稚魚の採り方を紹介します。

孵化日はいつか?

稚魚を採るためにはいつ孵化するか?が分からなければなりません。産卵した日は必ず記録しておき、今日が何日目なのか正確にわかるようにする必要があります。

産卵日=0日目と数えます。通常7~10日目の夜に孵化します。孵化までの日数は水温に左右されます。我が家では水温28℃弱で7日もしくは8日で孵化します。場合によっては7日と8日の2日に分かれて孵化することもあります。7日で孵化する場合、例えば日曜日に産卵したら次の日曜日に孵化するのでわかりやすいですね。水温が低いと孵化までの日数が長くなります。

上の写真の様に、卵が銀色にキラキラしてきたら当日か翌日位が孵化の目安と言えます。

孵化日の作業

照明が消えてから1時間以内で孵化します。今日が孵化日だ!と判断したら孵化のためのセットを行います。

・消灯
消灯したら孵化準備の開始です!

・循環(ポンプ類)のオフ
メインポンプやウェーブポンプなどあらゆるポンプ類、水流源をオフにします。外部フィルター、外掛けフィルターなどもオフです。孵化した稚魚が吸い込まれたり水流に流されないようにする必要があります。※安全にポンプオフを行ってください。ポンプオフでヒーターやクーラーに影響がある水槽システムを組んでいる方もいると思います。ご自身の水槽システムをよく確認し、安全なポンプオフを行ってください。ポンプオフ時は問題がないかよ~くよ~く確認を!ここでは便宜上ポンプオフと書きましたが、外部フィルターなどの場合、一時的に水槽から外せばOKな事もあります。必ずご自身の水槽にマッチした方法で孵化環境をセットしてください。

・エアレーションのセット
全ての循環が停止するため酸欠防止のために水槽内に優しくエアレーションを行います。

・エアコンのオン
夏季は水温上昇、冬季は水温低下の恐れがあります。室温を出来るだけ飼育水温に近づけるために必要に応じてエアコンを稼働させます。

・室内照明のオフ
水槽の照明が落ちていても室内の光があると孵化しません。室内も真っ暗にします。どうしても街灯の光が入るなど完全に暗くできない場合は黒のプラダンで水槽を覆って水槽内を完全な暗闇にします。わたしは街灯は入りませんが万全を期してプラダンで真っ暗にしています。

・1時間待つ
後は孵化を信じて1時間待ちましょう。絶対に途中で明かりをつけて様子を確認してはいけません。光が水槽内に差し込んだ時点で孵化は停止します。

・1時間後・・・・
そっと水槽の様子を・・・覗いてみましょう。どうですか?孵化していますか?

上の写真の様に水槽内に小さな稚魚がたくさん泳いでいれば孵化大成功です。次のステップ(捕獲)へ進みましょう。孵化していないか、ごく数匹程度で卵がまだ卵の状態ならば明日の孵化と考えて孵化は翌日に持ち越しです。

・孵化しなかった場合
循環(ポンプ類)をオンにし、全ての設備をもとに戻します。全てを元に戻し忘れることのなきように注意してください。最終確認を怠らず、確実に元の状態に戻してください。ヒーター・クーラーを入れ忘れた・・・などはシャレになりません。夜な夜なの作業、キーパー自身の疲れもあると思います。ほんと、安全確実に作業を行いましょうね。

孵化した稚魚の掬い方

見事孵化に大成功したら、稚魚育成の第2関門、稚魚掬いです。無事孵化した稚魚、さて何で掬いますか・・・?孵化したばかりの稚魚は超絶デリケートなため、網で掬えば確実に100%即死します。孵化直後の稚魚のデリケートさは生半可なものではありません。網はおろか、少し強い水流に流されただけでダメージを負って死んでしまいます。

結論から言うとプラケースで飼育水ごと掬うのが今のところわたしのベストアンサーです。

では、どんなプラケースで掬うのか。これまたわたしの見つけたベストアンサーはGEXのメダカ用のケースです。

絶妙な浮力のフロートが付いているのでそのまま水槽に浮かべることが可能です。このケースで優しく稚魚を掬い取ったら、水槽に浮かべて育成開始。余計な工程が発生せず、稚魚へのダメージが少ないのです。

こんな感じで水槽に浮かべるだけです。

見えにくいですが横から見るとこんな感じで浮かびます。前後に付いているメッシュは水替え時に非常に便利です。毎日の水替えが非常に楽で安全にできて大助かりです。このメッシュは絶妙な目の粗さでブラインシュリンプは全く通さず、ワムシもあまり通さない程度の粗さのメッシュです。

耐久性は高いのですが、長期間使用するとさすがに汚れが目立ってくるため我が家では常に複数個ストックしています。よく考えられたケースです。

大量に掬う時はもっと大きなプラケースで掬う事もありますが、一般的にはこのケースを1つ用意すれば事足りるでしょう。それでは稚魚の具体的に掬い方を見ていきましょう。

光で稚魚を集める

孵化した稚魚は光の方へ集まる習性があります。懐中電灯で5分ほど水槽内の1か所を照らし、稚魚を集めましょう。

室内照明を落として懐中電灯を照らすと効果的です。

一発勝負で掬う!!!

稚魚が概ね集まったら、プラケースでそっと掬います。流し込むような掬い方はいけません。プラケースを沈めて、そっと動かし、ゆっくり上げる。その時入ってきた子を育てましょう。掬いなおしは、水流に晒される機会が増えるためおすすめしません。わたしは一発勝負で掬っています。

稚魚はそのまま掬ったケースで育成を開始します。本水槽の循環(ポンプ類)はオンにし、全ての設備をもとに戻します。ここでも、設備を元に戻し忘れることのなきように注意しましょう。

まとめ

遂に孵化した稚魚、うまく掬えましたか?デリケートな稚魚が相手なので簡単にうまくは行かないかもしれません。ですが、経験を重ねるほどキーパーも色々学び、分かることも多いでしょう。

もう一つ、大切な事は慣れない作業を夜な夜な行うので水槽の設備を元に戻し忘れない事です。

次回は掬った稚魚の飼育についてお届けしたいと思います。

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